夢を見ている。温かで大きな手の中で、ゴロゴロと喉を鳴らすアタシ。大好きな人の手の中で、気持ちよく眠るアタシ。
「君、警戒心ないねー」
優しい声に呼ばれて、アタシはゆっくりと目を開ける。目の前には人間の肌と同じ色の壁がある。
「んー……?」
前足で目元を擦ると掴んでそれを止められ、アタシはパチパチと瞬きした。目の前には、見たことのないニンゲンがいる。
「おはよう、トラちゃん」
優しい顔で笑うその人は青っぽい髪で片目を隠した、黒い目のニンゲンの男の人だ。見たことないと思ったけど、なんだか見たことがある気がする。
「んー……?」
あるんだけど、ないような気もする。そもそもこんな笑い方してたかな。
首を傾げるアタシの頭をニンゲンがゆっくりと撫でる。毛を漉く手つきが柔らかで優しくて、アタシは開いたばかりの瞼が再び重くなってゆく。
「寝る?」
「んぅー……」
眠いけれど、誰なのかを思い出す。えーとえーとと繰り返しながら、考えて、最後にやっとわかった。
「タクト」
ニンゲンーータクトは少し意外そうにアタシを見てる。隣の温もりに手を伸ばし、アタシは身体を寄せた。
確か昨日の夜にネコ集会に出て、帰りにタクトに会ったんだ。それで、撫でてくれた手が優しくて、撫でてもらってるうちに眠くなって。
「タクトのたんじょーび」
そう、誕生日なんだってタクトが言ってて、じゃあお祝いしてあげるってアタシが言って、それからどうしたんだっけ。撫でる手の心地よさにうっとりとして、アタシは明るい闇へと堕ちてゆく。
起きたら、起きたらお祝いしよう。
「おめ、で、とー……」
お祝いだけでもと呟きながら、アタシは眠さに負けて眠ってしまった。
起きたらね、お祝いしてあげるから、アタシが起きるまで待っててね。
sweetampoule.sakura.ne.jp/ \\\\\\\\\\\\\\\">Kateさんとこのタクト生誕祝い創作。
もしかすると、私この人好きかもしれない。
タクトさん?Kateさん?どっちもかな!(え
とかこっそり呟いてみる←
まあね、想うだけなら自由だよね。